セキュリティ・弱点
管理画面のIDとパスワード、院内で使い回していませんか?歯科医院のホームページのログイン管理
休診のお知らせや臨時の診療時間の変更、歯科衛生士の求人の更新など、ホームページを院内で書き換える機会は意外と多いものです。そのため、管理画面のIDとパスワードを紙に書いて受付に貼っている、開業時に決めたパスワードを何年も使っている、という医院も少なくありません。この記事では、院内でホームページを更新しながら、乗っ取りのきっかけを作らないためのログイン管理の考え方をお伝えします。
ログイン情報が「入口の鍵」になる理由
ホームページの管理画面は、ページの文章や画像、予約ボタンの行き先、問い合わせフォームの送り先まで変えられる場所です。つまり、IDとパスワードはホームページ全体の鍵にあたります。
この鍵が他人に知られると、ホームページの見た目を書き換えられたり、問い合わせフォームの送り先を別のメールアドレスに変えられたりするおそれがあります。症状が書かれた問い合わせが知らない人のところへ届いてしまえば、要配慮個人情報の漏えいにつながります。この場合は件数に関係なく、個人情報保護委員会への報告とご本人への通知が必要になります。詳しくは個人情報保護委員会の案内をご確認ください。
外から弱点をねらわれる話はニュースになりやすい一方で、院内のIDの扱いは見落とされがちです。けれども、パスワードが簡単すぎる、退職した人が今もログインできる、といった状態は、外からの攻撃と同じくらい入口になりやすいものです。
歯科医院でよくある「鍵の扱い」
ご相談の中でよく伺うのは、次のような状態です。思い当たるものがないか、一度見てみてください。
- 受付スタッフ全員で、院長と同じ1つのIDを使っている
- パスワードを付箋に書いて、受付のパソコンに貼っている
- 開業時に制作会社が決めたパスワードを、そのまま使い続けている
- パスワードが医院名や電話番号、開業年など推測しやすいもの
- 退職した歯科衛生士や事務スタッフのIDが、そのまま残っている
- 制作会社の担当者が変わったのに、前の担当者のIDが残っている
責めるための確認ではありません
どれも、忙しい中で更新を回すために自然に生まれた運用です。大切なのは、今の状態を知って、無理なく変えられるところから整えることです。
貴院のホームページは大丈夫?
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院内で決めておきたいルール
ログイン管理は、難しい設定よりも院内の決めごとで大きく変わります。次の表を参考に、医院に合ったルールを決めてみてください。
| 決めること | おすすめの考え方 | 歯科医院での例 |
|---|---|---|
| IDの数 | 1人に1つのIDを作る | 院長・事務長・受付担当でそれぞれ別のID |
| 権限 | 必要な作業だけできる権限にする | 受付担当はお知らせの投稿だけ、設定は変えられない |
| パスワード | 長く、推測されにくいものにする | 医院名や電話番号を使わない |
| 保管場所 | 紙に書いて貼らない | パスワード管理の仕組みや鍵のかかる場所で保管 |
| 退職・異動 | その日のうちにIDを止める | 退職日の業務終了時に削除または停止 |
| 制作会社のID | 担当者が変わったら見直す | 前の担当者のIDを削除してもらう |
WordPressでは、利用者ごとに「投稿だけできる」「設定まで変えられる」といった権限を分けられます。受付スタッフがお知らせを書くだけなら、設定を変えられない権限で十分です。権限の分け方が分からない場合は、制作会社に「受付担当者用にお知らせだけ書けるIDを作ってほしい」と頼めば伝わります。
スタッフが退職するときの手順
歯科医院では、受付や歯科助手、歯科衛生士の入れ替わりがある程度定期的に起こります。退職のたびに慌てないよう、ホームページのIDの扱いも退職時の手続きの一つに入れておくと安心です。
- その人が使っていたIDを確かめるホームページの管理画面、予約システムの管理画面、求人サイトの管理画面など、その人がログインしていた場所を書き出します。
- IDを止めるか削除する最終出勤日の業務終了時に、IDを削除するか停止します。その人が書いたお知らせを残したい場合は、投稿者を別の人に移してから削除します。
- 共有していたパスワードを変える1つのIDを共有していた場合は、パスワードを変更し、残るスタッフにだけ新しいパスワードを伝えます。
- フォームの送り先を確かめる問い合わせや求人応募の通知が、その人の個人メールに届く設定になっていないかを確かめます。
- 作業したことを記録するいつ、誰のIDを止めたかを簡単に記録しておくと、後から確かめるときに役立ちます。
見落としやすい点
求人応募フォームや問い合わせの通知先が、辞めたスタッフのメールアドレスのままになっていることがあります。応募者の情報が届き続けてしまうので、退職時に見直しておいてください。求人フォームの注意点は歯科医院の求人応募フォーム、履歴書の受け取り方は大丈夫?でも解説しています。
ログインを守るための設定
院内のルールに加えて、制作会社に頼んで設定してもらえる守り方もあります。どれもホームページを作り直さずにできることです。
- 2段階の確認:パスワードに加えて、スマートフォンに届く番号などでもう一度確かめる
- ログインの回数制限:何度もパスワードを間違えたら、しばらくログインできなくする
- 管理画面の場所を限る:医院のネットワークからだけログインできるようにする
- ログインの記録:誰がいつログインしたかを残す
これらの設定は、プラグインで足すことが多い機能です。追加した部品も更新が必要になるので、予約カレンダーやフォームのプラグイン、更新しないとどうなる?もあわせて確認しておくと安心です。
おかしいと感じたときの相談先
「知らないIDが増えている」「お知らせが勝手に書き換わっている」と感じたときは、まずパスワードを変更し、制作会社に連絡してください。乗っ取りが疑われる場合の確かめ方は、歯科医院のホームページが乗っ取られていないか確かめる方法でまとめています。
HPドクターの「AIみまもり」は、AIが貴院のホームページを週3回(月・水・金)診断し、変化があった時だけお知らせします。ログインの管理で迷うことがあれば、AIにそのまま相談することもできます。料金は月額1,500円で、14日間は無料。今の制作会社との契約はそのままでかまいません。
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受付スタッフ全員で1つのIDを使うのは、だめなのでしょうか?
すぐに問題が起きるわけではありませんが、誰がいつ何を変えたか分からなくなり、退職のたびにパスワードを変える必要があります。1人1つのIDにして、受付担当はお知らせだけ書ける権限にするのがおすすめです。
パスワードはどのくらいの頻度で変えればよいですか?
定期的に変えることよりも、推測されにくい長いパスワードにすること、使い回さないこと、退職などで知っている人が変わったときに変えることのほうが大切です。
制作会社のIDは残しておいてよいですか?
保守をお願いしている制作会社のIDは必要です。ただし、担当者が変わったときや契約を終えたときには、使わなくなったIDを削除してもらってください。
管理画面のIDとパスワードが分からなくなりました。
制作会社に問い合わせてください。サーバーを医院で契約している場合は、サーバー会社の管理画面から手続きできることもあります。今後に備えて、ログイン情報の保管場所を院内で決めておくと安心です。
受付スタッフにもお知らせの更新を任せて大丈夫ですか?
任せてかまいません。お知らせの投稿だけできる権限のIDを受付担当者用に作ってもらえば、設定やフォームの送り先を誤って変えてしまう心配も減らせます。誰がどのIDを使っているかは一覧にしておくと安心です。
この記事は、歯科医院のホームページの見守りと相談を担当する「HPドクター」編集部がまとめました。
