セキュリティ・弱点
歯科医院のホームページが乗っ取られていないか確かめる方法|院内で見られる5つのサイン
「ホームページの予約ボタンを押したら、知らないサイトに飛ばされた」と患者さんから言われた。検索結果に、医院名と一緒に見覚えのない外国語の文章が出ている。そうしたことがきっかけで、乗っ取りに気づく医院があります。改ざんは、ぱっと見では分からない形で行われることも多いものです。この記事では、院内で確かめられるサインと、気づいたときの動き方をまとめます。
乗っ取りは「見た目が変わらない」こともある
ホームページの乗っ取りというと、トップページが真っ黒な画面に変わるような姿を想像されるかもしれません。けれども実際には、院長や受付が普段見ているページは変わらず、裏側だけが書き換えられていることも少なくありません。
たとえば、検索から来た人だけを別のサイトへ転送する、スマートフォンで見たときだけ広告を出す、医院のホームページの中に見えないページを大量に作る、といった形です。医院の方がパソコンでブックマークから開くと普段どおりに見えるため、気づくのが遅れがちです。
歯科医院のホームページは、Web予約や問い合わせフォームを通じて患者さんの氏名・電話番号・症状などを受け取る入口でもあります。予約画面が偽物に差し替えられると、入力された情報が別の場所へ送られてしまうおそれがあります。
院内で確かめられる5つのサイン
専門の道具がなくても、次の5つは院内で確かめられます。月に一度、受付スタッフと一緒に見る習慣をつけるだけでも、早く気づけるようになります。
| サイン | 確かめ方 | 見たときの様子の例 |
|---|---|---|
| 検索結果の表示 | 医院名で検索し、自院のページの説明文を見る | 外国語や、歯科と関係のない商品の文章が出る |
| スマートフォンでの表示 | 検索結果から自院のページを開く | 医院のページではなく、別のサイトに移動する |
| 予約ボタンの行き先 | 予約ボタンを押して、移動先のアドレスを見る | いつもの予約画面と違うアドレスになっている |
| 知らない広告・ページ | 自費診療やブログのページを開いて見る | 見覚えのない広告、リンク、ページが増えている |
| 管理画面のID | 管理画面の利用者一覧を見る | 誰も知らないIDが追加されている |
ポイント
ブックマークから開くのではなく、患者さんと同じように「検索してから開く」のが大切です。検索から来た人だけを転送する改ざんがあるためです。
貴院のホームページは大丈夫?
アドレスを入れるだけで、ニュースになった弱点に当てはまりそうか・鍵マークは大丈夫かなどを約10秒で自動診断します。
1つでも当てはまったときの動き方
サインに気づいたときは、慌てずに次の順番で動いてください。大事なのは、証拠を残しつつ、患者さんへの影響を小さくすることです。
- 気づいた様子を記録するどのページで、いつ、どんな表示が出たかを、画面の写真とともに残します。制作会社が原因を調べるときの手がかりになります。
- 制作会社やサーバー会社に連絡する記録した内容を伝え、調べてもらいます。サーバーを医院で契約している場合は、サーバー会社の窓口にも相談します。
- 管理画面のパスワードを変える院内でログインしているIDのパスワードを変更します。知らないIDがあれば、制作会社と相談して削除します。
- 予約や問い合わせの受け付けを見直す予約画面やフォームが疑わしい場合は、一時的に電話での受け付けに切り替え、ホームページにもその旨を出せるか相談します。
- 情報が漏れたおそれがあるかを確かめるフォームに入力された内容が外に出た可能性があるかを、制作会社に調べてもらいます。
症状などの健康に関わる情報は要配慮個人情報にあたり、漏れた場合は件数に関係なく、個人情報保護委員会への報告とご本人への通知が必要です。漏えいのおそれがある場合の対応は、詳しくは個人情報保護委員会の案内をご確認ください。
なぜ乗っ取られるのか、よくある入口
原因を突き止めて塞がないと、元に戻しても再び同じことが起きます。歯科医院のホームページでよく見られる入口は、次のようなものです。
- 土台のPHPが古い:2026年10月にも深刻な弱点が見つかり、IPA(情報処理推進機構)が注意喚起を出しました
- プラグインが更新されていない:予約カレンダーやフォームの部品が古いまま
- パスワードが推測しやすい・使い回されている:医院名や電話番号を使ったパスワード
- 退職者や前の担当者のIDが残っている:誰も使っていないIDが入口になる
それぞれの確かめ方は、PHPの脆弱性、歯科医院のホームページは何を確かめる?、予約カレンダーやフォームのプラグイン、更新しないとどうなる?、管理画面のIDとパスワード、院内で使い回していませんか?で解説しています。
元に戻すだけでは不十分です
バックアップから戻しても、入口が開いたままだと再び書き換えられることがあります。制作会社には「元に戻すこと」と「入口を塞ぐこと」の両方をお願いしてください。
どの入口から入られたのかは、院内で突き止めるのが難しいものです。制作会社に調べてもらうときは、「どこから入られたと考えられるか」「同じ入口はもう塞がれたか」を、専門用語ではなく分かる言葉で説明してもらうよう頼んでみてください。原因が分かれば、院内で気をつけることもはっきりします。
検索結果に警告が出た場合
改ざんが進むと、検索結果やブラウザに「このサイトは危険です」といった警告が表示されることがあります。こうなると患者さんがホームページを開けなくなり、予約の電話が増えたり、新しい患者さんが来にくくなったりします。
警告は、原因を取り除いたあとに審査を申請することで外れるのが一般的です。具体的な流れは検索結果やブラウザに「危険なサイト」と警告が出た時の対処でまとめています。
早く気づける仕組みを作る
乗っ取りは、気づくのが早いほど影響を小さくできます。とはいえ、毎日ホームページを検索して確かめるのは大変です。
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14日間無料で始める まずは人に相談するよくあるご質問
院内のパソコンで見ると普通なのに、患者さんは別のサイトに飛ぶと言います。
検索から来た人やスマートフォンの人だけを転送する改ざんの可能性があります。院内でもスマートフォンで医院名を検索し、検索結果から開いて確かめてください。気になる場合は制作会社に調べてもらいましょう。
改ざんに気づいたら、ホームページをすぐ止めるべきですか?
止めるかどうかは、改ざんの内容と影響を見て制作会社と相談して決めてください。予約画面が疑わしい場合は、電話での受け付けに切り替える案内を出すと患者さんが困りません。
バックアップから戻せば解決しますか?
元の状態には戻せますが、入口となった弱点が残っていると再び書き換えられることがあります。原因の特定と、PHPやプラグインの更新、パスワードの変更をあわせて行ってください。
どのくらいの頻度で確かめればよいですか?
院内では月に一度、検索結果と予約ボタンの行き先を確かめる習慣をつけると安心です。より細かく見守りたい場合は、自動で診断する仕組みを使う方法もあります。
確かめた結果、何も見つからなければ安心してよいですか?
院内で見つからなくても、裏側だけが書き換えられていることはあります。5つのサインは早く気づくための目安なので、PHPやプラグインの更新、パスワードの管理といった予防とあわせて続けることをおすすめします。
この記事は、歯科医院のホームページの見守りと相談を担当する「HPドクター」編集部がまとめました。

