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歯科医院のルール

歯科医院のホームページに症例写真を載せるとき、確かめたい決まりと手順

公開 2026年10月23日 約5分で読めます

矯正やインプラント、ホワイトニング、セラミックの治療を検討している患者さんにとって、症例写真は治療の結果を思い描く手がかりになります。一方で、治療前後の写真は、医療広告の決まりの中でも扱いに気をつけたいものとされています。「写真だけを並べて載せている」「いつ、誰の了解を得た写真か分からない」という状態のホームページも少なくありません。この記事では、症例写真を載せる前に確かめたいことを手順でご紹介します。個別の判断は、所管の保健所等にご確認ください。

症例写真は「写真だけ」では載せられないとされている

厚生労働省の医療広告ガイドラインでは、治療前後の写真(いわゆるビフォーアフター)について、写真だけを載せることは認められておらず、一定の説明を添えることが条件とされています。一般的には、次のような説明が求められると言われています。

  • 通常必要とされる治療の内容(どんな治療を、どのくらいの期間・回数で行うか)
  • 治療にかかる費用の目安(自費診療の場合)
  • 治療の主なリスクや副作用

加えて、自費診療の内容を詳しく載せる場合には、問い合わせ先をはっきり書くことなども条件とされています。具体的にどこまで書けば足りるかは、診療の内容や書き方によって変わるため、迷う場合は所管の保健所等にご確認ください。

大切なのは、写真が患者さんに「誰でもこうなる」と受け取られないようにすることです。治療の結果には個人差があります。写真のすぐ近くに説明を添え、写真と説明が離れないように置くのが基本です。

症例写真を掲載するときに写真と一緒に添える説明として、治療の内容と期間や回数、費用の目安、主なリスクや副作用の3つを並べ、写真と説明を離さずに置くことを示す図
症例写真は、説明とひとまとまりで載せる

1枚の症例に添える説明の例

症例写真に添える説明は、毎回同じ形にしておくと漏れが起きにくくなります。たとえば、次のような項目で1症例ずつまとめる方法があります。

項目書く内容の例気をつけること
主な訴え前歯のすき間が気になる、など患者さんの体験談にならないよう、事実だけを短く
治療の内容マウスピース型の矯正装置による治療使った方法を具体的に
期間・回数治療期間と通院の回数の目安症例ごとの実際の期間を書く
費用この症例でかかった費用(税込)料金表と食い違わないように
主なリスク・副作用痛み、歯肉の下がり、後戻りなど治療ごとに当てはまるものを書く

「主な訴え」は、患者さんの声として長く書くと体験談に近づいてしまいます。医院が把握した事実として短く書くのが無難です。患者さんの体験談の扱いについては、医療広告ガイドラインと歯科医院のホームページ、表現の見直し方でも触れています。

見落としやすい点

料金を改定したのに、症例の説明に書いた費用が古いまま、ということがよくあります。料金表を直すときは、症例のページも一緒に確かめてください。

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患者さんの了解と写真の管理

症例写真は、口元や顔の一部が写る、患者さんの大切な情報です。医療広告の決まりとは別に、患者さんご本人の了解をきちんと得ておく必要があります。病歴などの情報は、個人情報保護法で「要配慮個人情報」とされ、特に慎重な扱いが求められます。

  1. 掲載の了解を書面でもらうホームページに載せること、載せる写真の範囲(口元だけか、顔が分かるか)、載せる期間を説明し、書面で了解をもらいます。
  2. 誰か分からないように整える顔全体が写らないように切り取る、ほくろや特徴のある部分を避けるなど、本人が特定されにくい形に整えます。画像に残った撮影日時などの情報にも気をつけます。
  3. 了解の記録と写真を結びつけて保管するどの写真に、いつ、どんな了解をもらったかを一覧にして保管します。
  4. 取り下げの申し出に応じる段取りを決めるあとから「やはり外してほしい」と言われたときに、誰が、どのくらいの時間で外すかを決めておきます。

もし症例写真や患者さんの情報が外に漏れた場合、要配慮個人情報を含むときは、件数にかかわらず個人情報保護委員会への報告と本人への通知が必要とされています。詳しくは個人情報保護委員会の案内をご確認ください。写真の元データを院内のどこに置くか、誰が見られるかも、あわせて決めておきましょう。

今載っている症例写真の点検手順

すでに症例写真を載せている場合は、次の手順で一度点検してみてください。

  • 症例写真が載っているページを全部書き出す(矯正・インプラント・ホワイトニング・審美・ブログなど)
  • 写真ごとに、治療の内容・期間や回数・費用・主なリスクや副作用の説明が添えてあるか確かめる
  • 説明が写真から離れた場所に置かれていないか確かめる
  • 写真ごとに、患者さんの了解の記録があるか確かめる
  • 了解の記録が見つからない写真は、確認が取れるまで外すことを検討する
  • 費用が今の料金表と合っているか確かめる

ブログの過去の記事に、説明のない症例写真が残っていることもよくあります。開業当初に書いた記事なども、検索から見られることがあるため、点検の対象に入れておきましょう。自費診療のページ全体に書く事項は自費診療のページに書いておきたいことでまとめています。

写真の撮り方と元データの置き場所

症例写真は、撮るときから掲載を考えておくと、あとの手間が減ります。治療前と治療後で、同じ向き・同じ明るさ・同じ距離で撮っておくと、説明に添えたときに比べやすくなります。逆に、治療後だけ明るく撮るなど、条件を変えた写真は、実際以上の変化に見えてしまうおそれがあります。

写真の元データは、診療用の記録と、ホームページ用に整えたものを分けて保管するのがおすすめです。ホームページ用に整えた写真のファイル名に、患者さんの名前やカルテ番号を入れないことも大切です。ファイル名は、ホームページに載せたときに外から見えることがあります。

ポイント

ホームページ用の写真は「症例の番号」と「掲載の了解の記録」を結びつけて管理しましょう。取り下げの申し出があったとき、どの写真をどのページから外せばよいかがすぐに分かります。

迷ったときの相談先

症例写真の載せ方は、医療広告の決まりと個人情報の扱いの両方に関わります。表現や載せ方に迷うときは所管の保健所等へ、個人情報の扱いに迷うときは個人情報保護委員会の案内や専門家にご確認ください。

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よくあるご質問

症例写真はホームページに載せてはいけないのですか?

載せられないわけではありませんが、治療の内容、費用、主なリスクや副作用などの説明を添えることが条件とされています。具体的な書き方は所管の保健所等にご確認ください。

患者さんの了解は口頭でもよいですか?

あとで確かめられるよう、書面で残しておくことをおすすめします。載せる写真の範囲や期間も、あわせて書いておくと安心です。

目元を隠せば顔写真を載せてもよいですか?

目元を隠しても、ほかの特徴から本人が分かることがあります。載せる範囲はご本人の了解の範囲内にとどめ、特定されにくい形に整えることが大切です。

昔の症例写真に説明が付いていない場合はどうすればよいですか?

説明を添えるか、説明が用意できるまで外すことを検討してください。患者さんの了解の記録が見つからない写真も、確認が取れるまで外しておくと安心です。

症例写真は何枚くらい載せるのがよいですか?

枚数の決まりはありません。数を増やすことよりも、1枚ごとに必要な説明と患者さんの了解がそろっていることが大切です。説明と了解の管理ができる範囲で載せるのがおすすめです。

この記事は、歯科医院のホームページの見守りと相談を担当する「HPドクター」編集部がまとめました。