歯科医院のルール
インプラント・矯正・ホワイトニングなど自費診療のページに書いておきたいこと
インプラント、矯正、ホワイトニング、セラミックなどの自費診療は、歯科医院のホームページで説明に力を入れるページです。患者さんは費用や期間、治療に伴う負担を比べながら検討するため、書き方によって受け取られ方が大きく変わります。一方で、自費診療の説明には、医療広告ガイドラインで添えることが求められるとされる事項があります。この記事では、自費診療のページに書いておきたいことを、患者さんに伝わる形で整理する方法をご紹介します。個別の書き方は所管の保健所等にご確認ください。
自費診療のページで添えることが求められるとされる事項
医療広告ガイドラインでは、ホームページで自費診療(自由診療)の内容を詳しく紹介する場合、いくつかの事項を分かりやすく書くことが条件とされています。一般的には、次のような事項だと言われています。
- 通常必要とされる治療の内容(どのような治療か)
- 標準的な費用(総額の目安が分かるように)
- 治療の期間と回数の目安
- 主なリスクや副作用
- 問い合わせ先(電話番号など)
ここで大切なのは、患者さんが治療を選ぶ前に知っておきたいことが、そのページの中で分かるようになっていることです。費用だけが大きく書かれていて、リスクの説明はページの一番下に小さく、という形は避けたいところです。どの程度まで書けば足りるかは、所管の保健所等にご確認ください。
診療ごとに書く内容の整理表
自費診療の種類ごとに、書く内容を表にして整理しておくと、抜けが分かりやすくなります。以下は整理のための例です。実際の内容は、貴院の診療に合わせて院長が判断してください。
| 診療 | 費用の書き方の例 | 期間・回数の例 | リスク・副作用の例 |
|---|---|---|---|
| インプラント | 検査・手術・かぶせ物を含む総額の目安 | 治療期間と通院回数の目安 | 腫れや痛み、手術に伴う負担など |
| 矯正 | 装置代・調整料・保定装置を含む総額の目安 | 治療期間と保定期間の目安 | 痛み、歯肉の下がり、後戻りなど |
| ホワイトニング | 1回あたり・コースごとの料金 | 回数の目安と効果の続き方 | しみる症状、色の戻りなど |
| セラミック | 1本あたりの料金 | 通院回数の目安 | 歯を削る量、割れることがあるなど |
特に矯正は、装置代のほかに毎回の調整料や保定装置の費用がかかる場合があり、総額が分かりにくくなりやすい診療です。「月々○円」の表示だけでなく、総額の目安も同じページで分かるようにしておくと、患者さんの誤解を防げます。
ポイント
料金表のページと、各診療の説明ページの両方に費用を書いている場合は、どちらも同じ金額になっているか確かめましょう。料金改定のときに片方だけ直す、という行き違いがよく起きます。
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伝わる書き方の工夫
書くべき事項がそろっていても、専門用語ばかりでは患者さんに伝わりません。次のような工夫で、読みやすさと正確さを両立できます。
- 費用・期間・リスクを、毎回同じ順番・同じ見出しで書く(診療ごとに形をそろえる)
- 専門用語には短い言い換えを添える(例:保定装置=歯並びを安定させるための装置)
- 「個人差があります」と書くだけでなく、どんなことで差が出るかを一言添える
- 税込か税別かをはっきり書く
- 費用に含まれないもの(追加の検査、再治療など)があれば書く
反対に避けたいのは、効果を言い切る表現や、他院と比べて優れているように見せる表現です。「誰でも真っ白になる」「どこよりも安い」といった書き方は、医療広告の決まりの観点から見直しの対象になりやすいとされています。表現の見直し方は医療広告ガイドラインと歯科医院のホームページ、表現の見直し方でまとめています。
自費診療のページの点検手順
今の自費診療のページを点検するときは、次の手順で進めると整理しやすくなります。
- 自費診療のページを書き出すインプラント、矯正、ホワイトニング、セラミック、入れ歯など、自費診療の説明があるページと料金表のページを一覧にします。
- ページごとに5つの事項を確かめる治療の内容、標準的な費用、期間と回数、主なリスクや副作用、問い合わせ先が、そのページの中で分かるかを確かめます。
- 料金表と金額を照らし合わせる説明ページの費用と料金表の金額、税込・税別の書き方がそろっているかを確かめます。
- 症例写真の説明を確かめる症例写真がある場合は、写真ごとに必要な説明が添えてあるかを確かめます。
- 迷う点を一覧にして確認する書き方に迷う点は一覧にして、所管の保健所等に確認します。
症例写真の扱いは歯科医院のホームページに症例写真を載せるとき、確かめたい決まりと手順で、キャンペーンや割引の書き方は自費診療のキャンペーン・モニター募集、ホームページに載せる前の確認でご説明しています。
受付やカウンセリングとの食い違いを防ぐ
自費診療のページは、患者さんがカウンセリングに来る前に読んでくるページです。そのため、ホームページに書いてあることと、受付やカウンセリングで説明することが食い違うと、患者さんの不信感につながります。「ホームページでは○円と書いてあったのに」という声は、料金だけでなく、期間や回数でも起こります。
- カウンセリングで使う資料と、ホームページの説明の数字をそろえる
- ホームページを直したら、受付とカウンセリング担当に伝える
- 患者さんからよく受ける質問を、ホームページのよくある質問に足していく
- ホームページに書いていない費用(追加の検査など)がある場合は、その旨を書いておく
受付やカウンセリングの担当の方は、患者さんがどこで誤解しやすいかを一番よく知っています。年に一度でも、担当の方にホームページを読んでもらい、説明と食い違っている箇所がないか聞いてみると、思わぬ見落としが見つかることがあります。
料金を改定するときの段取り
自費診療の料金を改定するときは、ホームページの中で金額が書かれている場所をすべて直す必要があります。料金表、各診療の説明ページ、症例の説明、お知らせ、院内で配る資料の電子版など、思っている以上に多いものです。改定の日を決めたら、直す場所を一覧にして、同じ日にまとめて直しましょう。改定前の料金で相談に来られた患者さんへの説明も、受付と共有しておくと安心です。
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自費診療の費用はホームページに書かないといけませんか?
自費診療の内容を詳しく紹介する場合は、標準的な費用などを書くことが条件とされています。書き方の詳細は所管の保健所等にご確認ください。
費用は「〜円から」と書いてもよいですか?
最低額だけを目立たせると、実際の総額との差に患者さんが驚くことがあります。総額の目安や、費用に含まれるもの・含まれないものも添えて書くと、誤解が起きにくくなります。
リスクや副作用はどこまで書けばよいですか?
その治療で一般的に起こり得る主なものを書くのが基本と言われています。どこまで書けば足りるかは診療によって変わるため、迷う場合は所管の保健所等にご確認ください。
保険診療のページにも同じことを書く必要がありますか?
この記事は自費診療のページを中心にご説明しています。保険診療を含めた書き方については、厚生労働省の医療広告ガイドラインをご確認のうえ、迷う点は所管の保健所等にご相談ください。
この記事は、歯科医院のホームページの見守りと相談を担当する「HPドクター」編集部がまとめました。
