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更新・保守

歯科医院のホームページのバックアップ、何をどこに取っておく?

公開 2026年10月23日 約5分で読めます

貴院のホームページに何かあったとき、元に戻せる控え(バックアップ)があるかどうか、ご存じでしょうか。「制作会社が取っているはず」「サーバーの会社が自動で取っているはず」と思っていても、実際に確かめてみると、どこにもなかった、というお話はよく伺います。歯科医院のホームページには、診療案内や自費診療の説明、院内の写真など、一から作り直すと大きな手間がかかる情報が詰まっています。この記事では、何の控えを、誰が、どこに取っておけば安心かをご説明します。

バックアップが必要になる場面

バックアップは、普段は意識しないものです。必要になるのは、ホームページが思いがけず壊れたときです。歯科医院のホームページで考えられるのは、たとえば次のような場面です。

  • WordPressや追加部品(プラグイン)を更新したら、画面が真っ白になった
  • 第三者にホームページを書き換えられた(改ざん)
  • 院内で診療案内のページを編集していて、誤って消してしまった
  • サーバーの契約が切れて、ホームページ一式が消えてしまった
  • 制作会社と連絡が取れなくなり、ホームページのデータが手元にない

どの場面でも、少し前の時点の控えがあれば、その時点まで戻すことができます。控えがなければ、文章や写真を集め直して作り直すことになり、そのあいだ患者さんは診療時間も予約の入口も確かめられません。

特に歯科医院では、インプラントや矯正、ホワイトニングなどの自費診療の説明ページに、費用やリスクの説明を時間をかけて書き込んでいることが多いはずです。こうしたページは、医療広告の決まりも踏まえて整えた大事な資産です。消えてしまうと、文章を一から見直すことになります。

歯科医院のホームページのバックアップで取っておくものとして、文章と設定が入ったデータベース、写真や画像のファイル、ホームページの仕組みのファイルの3つがあり、3つがそろって初めて元に戻せることを示す図
控えは3つそろって初めて役に立つ

何の控えを取ればよいか

WordPressなどで作ったホームページは、大きく分けて3つの部分でできています。控えは、この3つがそろっていて初めて役に立ちます。

控えるもの中身(やさしく言うと)歯科医院での例
データベース文章やお知らせ、設定がしまわれている帳簿診療案内、料金表、お知らせ、医師紹介の文章
画像などのファイルホームページに載せた写真や資料院内の写真、医師の写真、診療カレンダーの画像
仕組みのファイルホームページを動かすプログラムやデザインWordPress本体、デザインの部品、追加部品

よくあるのが、「画像だけ」や「文章だけ」を控えていて、ほかがない、というケースです。また、控えを取っていても、ホームページと同じサーバーの中にしか置いていないと、サーバーそのものに問題が起きたときに控えも一緒に使えなくなります。控えは、ホームページとは別の場所にも置いておくのが基本です。

もうひとつ気をつけたいのは、控えの古さです。控えはあるものの、取ったのが開業時の一度きりで、そのあと追加した自費診療のページや料金改定が含まれていない、ということもあります。控えから戻したら、数年前の診療時間や料金表に戻ってしまった、では困ります。控えが定期的に新しくなっているかも、あわせて確かめましょう。

ポイント

ホームページのデータとは別に、院内でも「文章の原稿」と「写真の元データ」を保管しておくと安心です。自費診療の説明文や医師の経歴などは、院内のパソコンやクラウドの保管場所にも残しておきましょう。

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今の控えの状態を確かめる手順

控えがあるかどうかは、制作会社やサーバーの管理画面で確かめられます。次の順番で進めると、専門知識がなくても整理できます。

  1. 誰が控えを取っているか聞く制作会社や保守の担当に「ホームページのバックアップは誰が、どのくらいの間隔で取っていますか」と聞きます。答えが曖昧なら、取っていない可能性があります。
  2. 何を控えているか聞くデータベース・画像・仕組みのファイルの3つがそろっているかを確かめます。
  3. どこに置いているか聞くホームページと同じサーバーの中だけか、別の場所にも置いているかを確かめます。
  4. どのくらい前まで戻せるか聞く昨日の時点に戻せるのか、1か月前までなのか、控えを何世代分残しているかを確かめます。改ざんは気づくまでに時間がかかることもあるため、少し前まで戻れると安心です。
  5. 戻したことがあるか聞く控えから実際に元に戻した経験があるか、戻す場合の費用と時間の目安を聞いておきます。

サーバーの会社によっては、契約に自動のバックアップが含まれていることもあります。ただし、自動の控えが何日分残るのか、戻すのに手数料がかかるのかはサーバーの会社ごとに違います。契約しているサーバーの管理画面や案内をご確認ください。

控えを取るタイミングと、更新との関係

控えは定期的に取るのが基本ですが、それとは別に大きな変更の前にも取っておくと安心です。歯科医院のホームページでいえば、次のような場面です。

  • WordPressや追加部品、土台のPHPを更新する前
  • 自費診療の料金表や診療メニューを大きく書き換える前
  • 予約サービスの乗り換えで、予約ボタンをまとめて差し替える前
  • デザインの変更や、ページの追加・削除をする前

2026年10月には、ホームページを動かす土台であるPHPに深刻な弱点が見つかり、IPA(情報処理推進機構)が注意喚起を出しました(IPA(情報処理推進機構)の注意喚起(2026年10月21日))。PHPの版を上げると、古い追加部品が動かなくなることがあるため、更新の前に控えを取っておくことが大切です。控えがあれば、万一表示が崩れても元に戻してから原因を調べられます。

月に一度の点検で、控えの日付を確かめる項目を入れておくのもおすすめです。点検の全体は歯科医院のホームページ、月に一度の点検で見る場所チェックリストでまとめています。

控えの持ち主は医院にしておく

最後に、意外と見落とされるのが控えの持ち主です。控えが制作会社の手元にしかない場合、制作会社と連絡が取れなくなったり、保守を別の会社に切り替えたりするときに、データを渡してもらえるかが問題になります。契約書に、解約時のデータの引き渡しが書かれているか確かめておきましょう。契約の見直し方は開業時の制作会社との契約、見直すときに確かめる5つのことでご紹介しています。

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よくあるご質問

サーバーの会社が自動でバックアップしてくれていますか?

契約によって違います。自動の控えがあっても、残る日数や戻すときの手数料はサーバーの会社ごとに異なります。管理画面や契約内容をご確認ください。

バックアップはどのくらいの間隔で取ればよいですか?

お知らせを頻繁に更新するなら短い間隔、ほとんど更新しないなら長めの間隔でもかまいません。それとは別に、WordPressやPHPの更新、大きな書き換えの前には取っておくと安心です。

院内で控えを取ることはできますか?

WordPressの追加部品を使って院内で控えを取る方法もありますが、設定を誤ると控えが不完全になることがあります。まずは文章の原稿と写真の元データを院内に保管しておくことから始めるのがおすすめです。

控えから元に戻すのにどのくらいかかりますか?

ホームページの大きさや控えの置き場所によって変わります。いざというときに慌てないよう、制作会社や保守の担当に、戻す場合の時間と費用の目安を事前に聞いておきましょう。

この記事は、歯科医院のホームページの見守りと相談を担当する「HPドクター」編集部がまとめました。