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セキュリティ・弱点

Web問診票や相談フォームで症状を受け取る時の注意点|歯科医院の個人情報の守り方

公開 2026年10月23日 約5分で読めます

初診の患者さんに、来院前にホームページから問診票を入力してもらう。矯正やインプラントの無料相談を、フォームで受け付ける。歯科医院では、こうした形でホームページから症状や持病などの情報を受け取る場面が増えています。受付の待ち時間が減って便利な一方で、受け取った情報をどこに届け、どう保管するかは見落とされがちです。この記事では、院長・事務長が確かめたい点を順番に整理します。

問診票の内容は「要配慮個人情報」にあたる

Web問診票や相談フォームに書かれる「歯ぐきから血が出る」「心臓の持病がある」「血液をさらさらにする薬を飲んでいる」といった内容は、個人情報保護法で要配慮個人情報とされる、健康に関わる情報です。

要配慮個人情報が漏れた場合は、件数に関係なく、個人情報保護委員会への報告とご本人への通知が必要になります。1件だけでも対象になるという点が、氏名や電話番号だけの情報と大きく違うところです。詳しくは個人情報保護委員会の案内をご確認ください。

紙の問診票であれば、受付で受け取ってカルテと一緒に保管するまでの流れが院内で完結します。ところがWebで受け取る場合は、ホームページ、メール、保存先のサーバーと、情報が通る場所が院外にも広がります。どこを通っているのかを知っておくことが、守り方を考える第一歩です。

情報が通る道すじを知る

患者さんが入力した問診の内容が、医院のスタッフの目に届くまでには、いくつかの場所を通ります。それぞれの場所で、守るために確かめたいことがあります。

Web問診票の内容は、患者さんの入力画面、ホームページのフォーム、医院に届く通知メール、保存されるサーバーや管理画面、院内で見るパソコンの順に通り、それぞれの場所で鍵マーク、部品の更新、送り先と本文、保存期間と閲覧者、端末の管理を確かめることを示す図
問診の情報が通る道すじと、確かめること
通る場所確かめたいことよくある見落とし
入力画面アドレス欄に鍵マークがあるか問診のページだけ鍵マークが外れている
フォームの部品プラグインが更新されているか何年も更新されていないフォームの部品
通知メール送り先と、本文に何が書かれるか症状の全文が個人のメールに届く
保存先どこに、いつまで残るか管理画面に過去の問診が何年分も残っている
院内の端末誰が、どの端末で見るか受付の共用パソコンで誰でも開ける

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見落としやすいのは「通知メール」

Web問診票や相談フォームの多くは、送信されると内容をメールで医院に知らせる仕組みになっています。このとき、問診の全文がメールの本文にそのまま書かれる設定になっていることがよくあります。

メールは、一度送られると受け取った側の受信箱に残り続けます。院長のスマートフォン、事務長の自宅のパソコン、退職したスタッフのアドレスなど、思わぬところに症状の情報が残っていることがあります。次の点を確かめてみてください。

  • 通知メールの送り先は、医院の業務用アドレスになっているか
  • 退職したスタッフや、前の制作会社のアドレスが送り先に入っていないか
  • 本文に症状の全文が書かれていないか(「新しい問診があります」だけにできないか)
  • 患者さんへの自動返信メールに、入力内容がそのまま書かれていないか
  • 受け取ったメールを、いつ・誰が削除するか決めているか

ポイント

通知メールの本文を「新しい問診が届きました。管理画面で確認してください」だけにして、内容は鍵のかかった管理画面で見る形にできる場合があります。制作会社に設定を相談してみてください。

院内での扱い方を決める

仕組みだけでなく、院内での扱い方を決めておくことも大切です。次の手順で、問診の情報の流れを一度整理してみてください。

  1. 受け取っている項目を書き出す問診票や相談フォームで、どんな項目を入力してもらっているかを一覧にします。診療に使っていない項目があれば、減らせないか検討します。
  2. 見る人を決める問診の内容を見る必要があるのは誰かを決め、その人だけが管理画面やメールを見られるようにします。
  3. カルテへの転記と削除のタイミングを決める来院時にカルテや院内のシステムへ移したあと、メールや管理画面の内容をいつ削除するかを決めます。
  4. 端末を決める問診を見るパソコンを決め、画面のロックやログインを設定します。私物のスマートフォンで見る運用は避けます。
  5. スタッフに共有する決めた流れを紙1枚にまとめ、受付スタッフ全員に共有します。新しく入った人にも伝えます。

管理画面のIDを1つにまとめて共有している場合は、見る人を絞るのが難しくなります。IDの分け方は管理画面のIDとパスワード、院内で使い回していませんか?を参考にしてください。

入力フォームそのものを守る

最後に、問診票や相談フォームそのものの守り方です。フォームは外から誰でも入力できる入口なので、ホームページの中でも特に手入れが必要な場所です。

  • 入力画面に鍵マーク(通信の暗号化)が付いているか。外れている場合は歯科医院のホームページに「保護されていない通信」と出たら?を参考にしてください
  • フォームのプラグインと土台のPHPが更新されているか
  • 機械的な大量送信を防ぐ仕組みがあるか
  • 外部の問診サービスを使う場合、そのサービスの保存場所や削除の方法を確認しているか

解釈に迷ったら

個人情報の取り扱いや、医療情報の安全管理の考え方には、法律や国の指針が関わります。この記事は一般的な考え方をまとめたものです。具体的な判断に迷う場合は、個人情報保護委員会の案内を確認するか、専門家にご相談ください。

フォームの状態を続けて見守るには

問診票や相談フォームは、一度設定すると見直す機会が少なくなりがちです。けれども、部品の更新や鍵マークの期限など、時間とともに変わる部分があります。

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よくあるご質問

Web問診票はやめたほうがよいのでしょうか?

やめる必要はありません。待ち時間が減るなど患者さんにも医院にも利点があります。情報が通る場所を知り、通知メールや保存期間、見る人を整えることで、安心して使い続けられます。

通知メールに症状の全文が届くのは問題ですか?

すぐに問題になるわけではありませんが、受信箱に情報が残り続けるため、漏れたときの影響が広がりやすくなります。本文を短い通知だけにして、内容は管理画面で見る形にできないか制作会社に相談してみてください。

外部の問診サービスを使っている場合、医院で気をつけることはありますか?

サービス側の保存場所や削除の方法、医院で誰がログインできるかを確認してください。あわせて、ホームページからそのサービスへのリンクが正しいかも定期的に確かめると安心です。

問診の情報が漏れたかもしれない時は、どうすればよいですか?

まず制作会社やサービスの窓口に状況を調べてもらってください。要配慮個人情報が漏れた場合は、件数に関係なく個人情報保護委員会への報告とご本人への通知が必要になります。詳しくは個人情報保護委員会の案内をご確認ください。

問診票の項目は、どこまで聞いてよいのでしょうか?

診療に必要な範囲で聞くのが基本です。使っていない項目があれば減らすことで、受け取る情報も守る手間も減らせます。どの項目が必要かは、院長と相談して決めてください。判断に迷う場合は専門家にご相談ください。

この記事は、歯科医院のホームページの見守りと相談を担当する「HPドクター」編集部がまとめました。